光を愛したモネ 〜Flowers for Art〜
- atelierfelicidade3
- 2月15日
- 読了時間: 3分
更新日:3月16日
豊かで深い色合いのセルリアンの語源は、
ラテン語で「空(caelum)」「天国」を意味する。
1805年に新しいセルリアンの合成顔料が発明され、
印象派の画家たちにこよなく愛された。
光の描写に夢中になった印象派の画家たち。
その中でも特に光を愛したのがモネ。

普仏戦争から逃れて滞在していたイギリスから帰国し、
ロンドンの画商デュラン・リエルの支援のもと、パリ近郊の小さな町アルジャントゥイユにアトリエを構えての慎ましくも温かな生活。
最初の妻カミーユと長男のジャンが立ち止まってこちらを見ている瞬間を捉えている。
背中に光を浴び、ヴェールや白いドレスは風になびき、逆光の中でうっすらとしか表情が描かれていないものの、モネと視線を交わし合っているかのよう。
純粋な感覚の世界、モネの目に映る輝きをとらえて、
光の中の人物も、自然、風景の一部として描かれている。
夏の日の陽光、大気感、澄み渡り広がる青空、多彩な光をとらえている優雅な幸福感に満ちた作品。
「自分の作品は自然に向かって開かれた窓だ」
そう言ったモネ。
光や空気だけでなく、草むらを渡っていく風の心地よい肌触り、香りまで感じさせる。
あたかも、モネが筆を運ぶその傍らに立ち、共に感じているような感覚になる。
自然のあるがままの美しさ、生きることのしあわせ、幸せはすでにある、今ここにあることを感じさせてくれる。
Flower Creation

モネ「散歩、日傘をさす女性」の絵画作品、ストーリーからのインスピレーションでアレンジした花をご紹介します。
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画面内だけでなく、世界全体をも満たすかのような明るい光にあふれるモネの作品。
光を通じての表現、印象を描き続け、光を追い求めたモネ。
青、黄、紫、と光の反射を映して表現豊かに描かれる白色を、
スカビオサ(花言葉:無からの出発)、アジサイ(花言葉:一途な愛情)でさまざまな形で光を受けて輝くイメージを持たせています。

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カミーユと視線を交わし合いながら、軽やかに鮮やかに筆を運ぶモネの姿に想いを馳せて。
エリンジウム(花言葉:光を求める)、ニゲラ(花言葉:深い愛)で寄り添う二人を表してみました。

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ふとした瞬間、何気ない一瞬を描いた作品から感じられる、幸福感。
幸せは今この瞬間に存在しているもの、と思わせてくれるモネの作品。
その繊細でありつつも躍動感、動きのあるモネのストローク、タッチから生み出される表現や印象からのあふれ出る幸福感が空間に満ちていく様、
幸せがそこから広がっていく様をデルフィニウム(花言葉:幸せを振り撒く)で表現しています。
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青の表現として、ヨーロッパの多くの国で希望や幸福の象徴とされ、マリーアントワネットも愛し、テキスタイルや食器にも描かせた花ヤグルマギク(花言葉:優雅)を。
その優雅な形と鮮やかな色合いから、細やかな感情や美しさを象徴しています。
また、デルフィニウム(花言葉:幸せを振り撒く)ならではの鮮やかな青色から淡い水色まで幅広い色合いは、空の美しい色調を。
光と色彩で生命感、幸福感に満ちている瞬間を祝福しているようです。

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絵画からのインスピレーションを受けてのクリエイション。
お楽しみいただけましたら、この上ない喜びです。
Art Inspiration for Flowers...
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